ワイヤード・パンチ

メダロット ガールズミッション感想。美少女だらけにする前に、やるべきことがあるはず…。

メダロットシリーズはほぼ全てプレイしてきましたが、本作だけはあまりにも世界観が違いすぎるので、プレイしようかどうか躊躇しているうちに、何ヶ月も経ってしまいました。でも最近になって、本作がなんと送料込みでたった876円で販売されているのを見つけたので買いました。中古とはいえ、今年のゲームなのに。ただ、この値段がすでに出来を物語っている気がします…。

広告

はじめに。

今回の感想はカブトバージョンのものです。とはいえ、今回はバージョン別の話を含みませんが。

また、プレイ時間は5~6時間程度での感想となります。感想を書くにしてはあまりにも早過ぎると思われるかもしれませんが、以下に書き綴るように、この時点で書きたくなるのも仕方ありません。

あまりにもストーリーが薄っぺらい。

女子高生だらけの世界観にはもはやツッコまないとして、本作をプレイしていてもっとも驚いた点がこれ。

本作は複数のメダロッターから1人選んでストーリーを進めていくことになるのですが、初めは主人公である豊穣みのりしか選べません。パートナーはもちろんメタビー。

そのみのりちゃん視点でストーリーが展開されていくのですが、これがあまりにも薄っぺらい。3時間もしないうちにエンディングにたどり着いてしまいました。前作メダロット9だと20時間程度で、これでも過去のメダロットよりも短かったのですが、本作はメダロット9をはるかに下回るストーリーの短さでした。

おおまかな流れとしてはまず、みのりは高校のメダロット部に入部することになりますが、他に部員は部長だけしかおらず、しかも廃部寸前とのこと。廃部を免れるためには、次の大会で優勝しないといけません。まるで、どこぞのスクールアイドルのよう。

ここまでは特に問題ないものの、次の瞬間にはもう大会の開始日。大会に向けて部員を集めたり特訓したりするなどの描写はありません。ほんと、いきなり大会にブチ込まれる感じです。

大会の最中も大してストーリーが展開されることはなく、対戦相手となる他校のメダロッターたちは、それぞれ強烈な外見をしているにも関わらず、彼女たちと会話する場面は一切なし。とりあえず戦ってシステムのうえでバディとなって終わり。

仮にも美少女要素を押し出しているあたり、一人ひとりの掘り下げがあってもいいはずなのですが、見た目で驚かすだけの一発屋で終わってしまっています。

さすがに後半あたり、準決勝からの相手とは重要な話をする機会も多くなりますが、その重要な話がいまいち理解しづらいのです。すぐに終わるストーリーであるにも関わらずです。

本作の会話シーンは、まるでギャルゲーのようにキャラの立ち絵を背景に置いて、セリフだけで話を進められていきます。以前までのメダロットのように、3Dのキャラが動き回ったりなど、状況を説明してくれるような演出が一切ないため、どんな状況なのか全然伝わりません。

同じテキストでも、小説だったらナレーションによる説明などが入るでしょうけど、今作にはそういった第三者が居ません。以前までも居なかったので居なくて当然ではあるものの、演出はないのにその場に居るキャラクタのセリフだけしか流れないので、どうしても説明くさい話ばかりキャラクタの口から出てきます。余計に理解できません。

何が起こったかわからないまま唐突にエンディングとなり、みのりのストーリーは終了。次に部長がプレイヤーキャラとして開放され、今度はそちらのストーリーを進めていくことになりますが、視点が変わった程度で、基本的なストーリーは変わりません。

部長をクリアすればさらに他校のメダロッターもプレイ可能になるのでしょうけど、あまりにも薄っぺらいうえに理解しづらいストーリーを、何度も繰り返すのは苦になりそうなので、もう途中でプレイを断念してしまいました。

ぼくはどちらかと言えばストーリーよりも戦闘の方を重視するタチなのですが、やはりストーリーがある以上は無視できないので、それなりには気にしてしまいます。でも、こんな読むことが苦になるストーリーがあるくらいなら、いっそストーリーなんぞ無しにして、対戦特化のシステムにしてくれた方が、よっぽど有意義です。

あまりにも難度がヌルすぎる。

本作はメダロットDUAL同様、難易度をイージー、ノーマル、ハードの3つから選ぶことができます。ぼくはいつも初めは真ん中の難度を選ぶようにしているので、今回もノーマルから始めました。

しかし、メダロットDUALだとノーマルでも手応えのある相手は多かったように思うのですが、本作はノーマルにしていても、全部で10戦以上あるストーリー上の対戦の中で、最後の1戦を除いて全くパーツを破壊されることなく、余裕で勝ててしまいました。

敵の攻撃を受けても大したダメージにならないうえに、敵の行動が妙にへたくそに見えるのが原因でしょうか。パートナーのポンポンメイツがよく、敵の片割れと勝手に戦ってくれますが、その敵がトルネードに何度もひっかかって、いつの間にか全パーツ大破している光景がよく見られます。それとも、ポンポンメイツが強力なのでしょうか。

最後の1戦であるラスボス戦。ここだけはパートナーも撃墜されて、自分自身も頭以外全て破壊される状態まで追い込まれたのですが、実はコンティニューすることなくラスボスを倒せてしまったのです。

メダロットのラスボスといえば、とにかく毎回とんでもなく強いのですが、本作だけはあまり苦労することなく倒せてしまったので拍子抜けです。

本作のラスボスは、パーツこそボス専用のものではあるものの、戦法はひたすら宙に浮きつつビームを撃ち、パーツを破壊されたらしつこく復活を繰り返すというもので、通常のメダロットから毛が生えた程度から抜け切れていないように感じます。

メダロットDUALのタイコンテローグだと、超大型ボディなうえに別ゲーかと思うようなミサイル乱舞をしてきましたし、シリーズおなじみのゴッドエンペラーもメダフォース連発が強烈でした。でも本作のラスボスは歴代ボスと比べると、どうもインパクトに欠けます。外見こそ派手ですが。

ポイントが貯まるミッションをクリアして、ポイントを使ってメダルを強化するシステムもあるのですが、それを全く使うこともありませんでした。

難度をハードにしていればまた違った結果になったかもしれませんが、ノーマルなのにベリーイージーにしたんじゃないかと思うくらいあっさり進んでしまったのが残念。

フルボイスじゃない。

メダロットDS以降、ボイスは一切なくなってしまいましたが、本作になってようやくボイスが復活しました。ただ、全てのセリフをボイスつきでしゃべるわけではなく、そのときのテキストにかろうじて合っているであろう、パートボイスを何度か聞く程度です。

ゲームボーイ時代と違って性能が何倍にも上がっているので、もっとボイスを入れることが出来るはずなのに、同じボイスを数回聞く程度でした。むしろゲームボーイなのにしゃべった方が驚きだけど。

個人的にフルボイスは、さっさとゲームを進められない原因になるので好きではないのですが、キャラクタ名よりも声優名を前面に押し出しているあたり、その声優目当てでボイスを聞きたい人はきっといるはず。でも、ボイスの量がわずかなので、期待するだけ損かもしれません。むしろ数セリフだけなのに、声優を呼ぶべきだったのか。

パートボイスだけとはいえ、残念ながらいっそしゃべらないでほしいと思ってしまうキャラもいました。準決勝で出てくるありすがそれで、あまりにも間延びしすぎで不自然すぎる、緊張感のかけらもない喋り方で、聞いているとついイラッとしてしまいます。もうちょっと普通にしゃべれないのか。

また、この手のゲームならボイスのオン・オフくらい設定できてもいいと思うのですが、そういった設定はなく、ボイスはオンで固定されています。必ず聞くことになってしまいます。ボイスなしでロボトルしたくてもできません。

逆に、ボイスなしでさみしいと思ったのが、メタビーが一切しゃべらないこと。かつてのアニメ版の印象が強すぎることもあるのですが、主人公と並んでセリフ量が多いため、少しくらいはしゃべってほしかった。

とはいえ、アニメ版でメタビーの声を担当されていた方は、今も昔も大人気な方なので、簡単に呼ぶことができないのでしょう。かといって違う方が担当すると、それはそれでイメージと違うと怒られそう。

さらに、もしメタビーをしゃべらせるんだったら、クワガタ版のロクショウもしゃべらせろってことになってしまいますが、ロクショウ担当の方は今どうしているのかわからないので、これはこれで呼ぶのが難しそう。

メタビー以外のメダロットが居ない。

システム的に居ないということじゃなくて、メタビー以外のメダロットが会話に一切絡んでこないということです。というよりは、影や形すら見せません。

メダロットシリーズのストーリーといったら、必ずメダロッターとメダロットの友情などについて語られるはずなのですが、本作でそういった描写があるのは主人公とメタビーだけ。

他のメダロッターにもパートナーとなるメダロットが居るはずなのに、それが出てくるのはロボトルをしている間だけ。ただの戦いの道具にしか見えません。

たとえば部長にはポンポンメイツというパートナーが居るのに、プレイヤーとして選択してストーリーを進めても、ポンポンメイツは会話に一切登場せず。おそらく他のメダロッターを選んでも、同じ結果でしょう。せっかくいろんなメダロッターで遊べるのに、もったいないことです。

しいて言うとラスボスのメダロットが会話に入ってくると言えなくもないのですが、喋るセリフは唸り声くらい。

前作メダロット9だと、プレイヤーとなる5人のメダロッターそれぞれのパートナーは、みんなちゃんと会話の中に入ってくれました。なぜ同じようにできなかったのか。

自由度の低いバディ。

メダロットDUAL同様、相変わらずバディのパーツ変更はできません。選んだバディごとに、メダロットは固定となっています。

ただ、自由にパーツ交換を可能にしてしまうと、それに応じたAIを搭載する作業がおそらく膨大になりそうなので、決められたバディから選ぶ形にせざるを得なかったとも考えられます。

しかし、バディのパーツが変えられないのはまだ良いにしても、DUALと比べるとバディの数が大幅に減っています。DUALだと100人近くおり、見た目が良い純正組みもあれば、戦法重視のキメラも存在していて、豊富な種類がありました。しかし本作だとバディの数は10数人程度であり、メダロットもすべて純正組みなので、選択肢が少なすぎます。

とはいえ、ポンポンメイツのように純正組みでも多彩な手段を持つメダロットなどは居るため、純正組みのみな点に関してはあまり問題ではないと言えます。

使い回しが目立つステージ。

ロボトルが行われることになるステージですが、メダロットDUALにあったステージが、本作にも使い回されています。

サイバーが体育館になっていたりなど、見た目が変わったステージはありますが、構造自体はそのままなため、実質は同じステージと言えます。

前作で人気だったステージだけ残して、残るほとんどのステージは総入れ替えというのならわかるのですが、そんなことなく本当に全てのステージが続投で、BGMすら同じなので、手抜きで使いまわしたように感じて仕方ありません。

新規メダロット多数。と思いきや?

先程から何度か名を挙げているポンポンメイツのように、本作で初登場となった機体は多数存在します。ストーリー上の対戦相手となる機体も、ほとんどが新規機体なので、どう攻めて来るのかわからない緊張感があるかもしれません。

また、メダロットDUALに登場した機体はもれなく本作にも続投しています。DUALではそんなに登場数が多くなかったので、ステージと違ってこちらは続投させて正解でしょう。

ただ、追加機体の中で一つ疑問なのが、メダロット8と9で初めて登場した機体が、本作には全く登場していないこと。

メダロット9で久々にメタビー以外で主役機となったジッパーや、ガールズミッションという舞台にふさわしいであろうラピスなども居ないのが、残念でなりません。DUALのシステムでも問題なく使えそうなのに。

しかし、登場できなかった理由はいろいろと考えられます。まず、メダロット9からガールズミッション発売まで、日数が短かったこと。それに、DUALとガールズミッションは、いつものメダロットと作っているメーカーが違うこと。

9からガールズミッションまでわずかな日数で発売できたのは、2つのメーカーがそれぞれ並行して開発を進めたからでしょうか。でもメーカーが違うために、互いに初登場させたメダロットを、共有する暇がなかったのでしょうか。

あと、新規機体の中でどうも好かないのが、トレイナーという機体。トレーニング用のただのザコ機体なのですが、その外見というのが、セーラーマルチの頭と色を変えただけ。

セーラーマルチと言ったら、近年は名無しのメダロッターが使うことが多いものの、かつてのメダロット2やアニメ版に登場したアリカのパートナーとして有名な機体。通称ブラス。

頭が違うとはいえ、ベースはセーラーマルチ。そんなセーラーマルチをサンドバッグに変貌させてしまうのは、いかがなものなのでしょうか。ガールズミッションなので、オンナ型機体を使いたかったという考えもあるのでしょうけど。

サンドバッグとしてふさわしい機体なら、ブリキオーがすでに居るのに。

メダルは1人1つ。

メダロット9同様、選択したメダロッターごとに使えるメダルは固定となっています。たとえばみのりの場合だと、使えるメダルはカブトで固定です。

他のメダルを使いたければ、ゲームを進めてプレイヤーとして使えるメダロッターを増やしていかなければいけません。そしてモードセレクトから、使用メダロッター切り替えをいちいちしないといけません。

システムのうえではやっぱりめんどくさいものだと感じてしまいます。しかし、メダルというのはメダロットの魂なのです。1人で何枚もメダルを持っていたら、使われずにくすぶる悲しい魂が、何枚も増えることになるのです。

魂を粗末にしないためにも、また真のパートナーと呼べるのはやっぱり1体のメダロットだけになるでしょうから、1人1枚の制度に付き合うしかないでしょう。

とはいえ、本作だとカブトメダルのメタビー以外、全く絡んでくることはありませんが。

メダロットを使って平気で行われる性行為。

今回、特に問題になりそうなのがこれ。メダフォースゲージが満タンまで溜まった状態で、タッチスクリーンを押し続けるとさらにチャージが始まり、メダフォースバーストが発動、さらにそれでトドメを刺すと、なぜか相手メダロッターの服が破れます。ハイパーフィニッシュと呼ばれていますが、いわゆる脱衣KO。

相手の服が破れること自体は構いません。美少女要素を押している分、少しくらいお色気も入れたくなるでしょう。もちろん、無理やり破られるので、やられた側は存分に恥ずかしい目に会います。

ただ、その女の子の服を無理やり破って恥ずかしい目に会わせるという行為が、メダロットを使って行われるというところに、世界観的に危険に思えてなりません。

メダロットとメダロッターは、ロボトルを通じて互いに健全に成長していく存在のはずです。それなのに、故意で相手の嫌がることをしていたら、それはロボロボ団とやっていることが変わらないのではないでしょうか。

故意ではなく事故と言えるかもしれませんが、公式でも相手の衣服を吹き飛ばすと明確に書かれているため、やっぱり故意で脱がしていることになるでしょう。ゲーム中のシステム説明でも、ハイパーフィニッシュで相手の身に何かが起こると書かれています。

攻撃を受けるのはメダロットなのに、なぜメダロッターの服が破れるのか。それにはもはやツッコむまい。

システム面では純粋にDUALの強化。

先程までついつい欠点ばかり挙げてきましたが、もちろん良いところもあります。DUALと同様の戦闘システムを使っていますが、後継作らしくちゃんと進化している面があります。

まずは先述のメダフォースバーストが追加されたこと。相手の服のことはさておいても、通常のメダフォースよりも発動に時間がかかる分、威力も演出もさらに強大になります。

しかし、チャージに時間がかかるうえに、タッチスクリーン右部分を触り続ける都合上、ABXYボタンを押せなくなるので、チャージの間は行動が制限されてしまうでしょう。さっさと普通のメダフォースを出して確実に削っていくか、ギリギリまで粘ってバーストで形勢逆転を狙うか、迷うところです。

もう1つ追加された機能として、オーガマキシムがあります。ロボトル中1回しか使えないものの、一時的に機体のあらゆる性能を向上させます。たとえば高速で移動できるようになったり。

壊れているパーツが多いほど有効時間も長くなるので、一発逆転もありえます。実際、ラスボス戦では頭部だけの状態になってしまいピンチでしたが、オーガマキシムのおかげで命拾いしました。

メダフォースも一発逆転と言えなくはないですが、ゲージが溜まっていないといけないので、使える状況の多さならこちらが勝ります。

ロボトルといったら基本的に、やられている方がとことん不利になってしまうシステムなのですが、これが見事に覆ったと言えるでしょう。

まとめ。

とにもかくにも、ストーリーでほとんど台無しにしてしまっているように思えます。ロボトルしようにも、余計なものがついて回る感じ。

それに、発売前から散々言われていそうですが、美少女を押し出すという考え自体が的外れに思えてなりません。プレイヤーが求めているのは機体とロボトルであって、メダロットの世界で生身の女の子なんて求めちゃいないのです。

もちろんかわいいメダロッター自体は居たら居たで嬉しいものですが、ハナっからそればっかりを押し出すのも、やっぱり違う。

ぶっちゃけ、なぜメダロットDUAL2にしなかったと言いたいところです。ロボトルのシステム的には進化しているのに、本当にもったいない。

余談。

イマジニア,100%連結子会社のロケットカンパニーを7月1日付けで吸収合併 – 4Gamer.net

7月の記事ですが、メダロットDS以降ロケットカンパニーから発売されてきたメダロットシリーズが、昔のようにまたイマジニアから発売されることになるかもしれません。

だからといってわれわれユーザにどう影響があるのかは知りませんが、会社として大きな動きがあった分、次回作に期待したくなります。

どういうメダロットだったら、長く楽しくプレイできるのかな…。